信用保証協会100%保証終了の中小企業に対する融資への影響
■政府、中小融資の特例廃止 「100%保証」対象業種3分の1に
「政府は3日、経営不振の中小企業向け融資が焦げ付いた場合、国が損失を全額負担する「100%保証」の対象業種を3分の1に縮小した。」
政府、中小融資の特例廃止 「100%保証」対象業種3分の1に(2014.3.4日本経済新聞)
信用保証協会による100%保証制度が終了します。
中小企業が銀行から借りられるのは保証協会が会社の借入の保証人になってくれているからです。
最悪の場合でも銀行は取りっぱぐれがありません。
だから借りられるのです。
銀行だって本音を言えば、リスクの高い中小企業に融資なんてしたくありません。
金融庁の指導があるから仕方なしに融資しているのです。
保証協会の保証はその見返りです。
今回この制度に変更があります。
これにより中小企業への融資姿勢はどのように変わるのでしょうか?
拙著『借入は減らすな』にも書きましたが、2008年以降、金融円滑化法、100%保証、金融緩和政策の3点セットにより、中小企業は未曾有の金融緩和環境にいました。
本来であれば貸せないような企業にも銀行は貸すことができたのです。
昨年度末に金融円滑化法が終了、そして今回の100%保証制度の終了。
保証協会が100%保証をやめるとどうなるのでしょうか?
これからは会社が倒産した場合、80%を信用保証協会が銀行に代位弁済し、残りの20%については貸した金融機関が責任をとることになります。
これを「責任共有制度」といいます。
銀行と保証協会が責任を共有するという意味です。
実はこの制度、2007年10月1日から始まったのですが、2008年9月にリーマンショックが起こり、事実上凍結していました。
ですから、この制度が有効であったのは、2007年10月から2008年終盤までの短い期間でした。
しかしこの時のことは、今も強烈に印象に残っています。
それまでは全ての保証協会付融資を保証協会が100%の保証していました。
20%とはいえ金融機関がリスクを負うことになり、目の色を変えて引き締めにかかりました。
なかば銀行はヒステリー状態に陥ったといっても言い過ぎでは無い状態でした。
中小企業融資は異常な縮小状態に陥り、私もお客様と一緒に銀行を回ったものです。
あの頃とは金融行政などの環境も変わっていますから、あの頃に戻るとは考えられませんが、今以上に甘くなることはないでしょう。
しかし、逆に考えるとこれはきちんとしている企業にはチャンスでもあるのです!
いうまでもなく銀行の利益は借入利息です。
だから、リスクが増えるからとどこにも貸さないという訳にはいかないのです。
ですから、貸せない企業に向かっていた資金が、貸せる企業に余計に向かってくるのです。
この3月決算で締めて作る決算書、方針を間違えないようにしたいところです。
その決算書でこれから一年間の銀行の態度が決まるのですから...
さて今後、あなたの会社は「引き締めにかかられる方」と「借りて下さいと頼まれる方」どちらになりたいですか?
「借りて下さいと頼まれる方」になりたい方。
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