11.銀行交渉・融資面談はどうすればよいのか?
まず交渉・借入申込で大切なのが「タイミング」です。
財務諸表の数値の信頼度が最も高いのは、税務署に提出した「決算書」です。試算表をどんなに頑張って作っても、決算書と同じ確度と評価してもらえる事はありません。
決算書を銀行交渉のトリガーにしよう!
ですので、できれば決算後、決算報告の時に支店長と審査担当に、借入の予定がある事を伝えておくのが一番なのです。
理想的には、決算書を「借入の意思表明」に使い、試算表は決算書で表明した意思の確認用、また、予想から大きく外れていないことに対する裏付け資料として使いたいところです。
借入に必要な額を算定する方法
【参考:営業キャッシュフローとは】
決算書を使って借入の意思表明をするに際して、短期予測がなくても、次のように必要額を簡便に求めることが可能です。
貸借対照表の「短期借入金+1年内返済予定長期借入金(同リース債務)」から、キャッシュ・フロー計算書の「営業キャシュフロー」を引いた金額分だけ当期にキャッシュは減少します。
したがって、これをベースにざっくり計算をして、「当期にはこれだけキャッシュが減少するはずなので、その分を貴行から借入したい」と話をして、支店長の頭の中の予算立てにインプットしておいてもらうのです。
そうしておくことで、支店長と担当者がしかるべき時期に「そろそろ時期的にいかがでしょうか?」と聞いてくれる可能性がぐっと高まります。
また、こうする事で「先を見据えた計画性のある経営者」という印象を与えることもできます。
借入申込に最適な時期は?
そしてできれば、借入は9月の中間決算に標準を合わせて借入を申込みたいところです。最近の銀行は決算の3月よりもこのタイミングを重視しています。
融資額だけでなく利息収入が今期の成績に入るからです。
お盆が明けたら、担当者にそれとなく借入を打診してみましょう。そして、面談が決まったら、第一に資料をたくさん用意しましょう。
試算表(特に月次推移表)、事業計画書、資金繰り予定表に始まり、運転資金であれば受注内諾資料、設備資金であれば見積書など「数字が具体的に書いてある資料」を準備しましょう。
そして融資担当者が支店に帰ってから稟議書を書きやすい、つまり、審査担当に説明しやすい資料を提供するのです。