10.銀行借入・融資の審査基準は?
①借入限度の目安
②借入可能な財務状態について
説明させて頂きたいと思います。
(a)(当期利益+減価償却費)×10
(b)年商の2分の1
②借入可能な財務状態...(a)(b)(c)全てを満たすこと。
(a)2期連続赤字でない
(b)債務超過でない
(c)税の未納が無い
を満たしている場合、だいたい審査でアウトということはありません。
あくまで新規取引の際のひとつの目安で、すでに取引がある場合には良くも悪くも諸事情が考慮されます。
融資の際の審査基準について
融資の審査基準は決算書や試算表の数値要因が70%、返済実績や経営者の資質などの定性的要因30%と言われています。
数値要因には過去の実績と将来の予測が含まれます。将来確実に返済が可能であるという数値を基にした事業計画書と裏付け資料があれば、相当の考慮がされます。
大切なのは「思いを文章に、文章を数値に」ということです。融資担当者や支店長に演説をぶっても始まらないことは言うまでもありません。
貸借対照表重視でも資産とみなされない債権
また、決算書の審査は貸借対照表が重視されますが、その際「銀行が不良債権だと思う」資産は資産とみなされません。
2期並べて残高の変わらない売掛金、減価償却をしていない資産、役員への貸付金などがその代表例です。
逆に役員からの借入は返済しなくてよいことが分かれば、負債から除かれます。(資本とみなされます。)
更に、仮に赤字であったとしても、一般的な生活費を超えるような多額の「役員報酬」がある場合には考慮の対象になり、利益に加算してもらえることがあります。
また、臨時的、一時的な損益は除かれます。
審査基準に加わっている外部環境
さらに注意しなければならないのが、「自社の努力ではどうにもならないことがある」ということです。例えば、自社の財務内容だけではなく、銀行自身の体力によっても大きく違いが出ます。
さらに、業種の好不況も関係します。自社の業績が良くても、不況業種に属しているだけで不利になることがあります。
さらに、支店長がリスクを取るタイプか、守りに入るタイプかという要素も重要です。
各行、各支店で評価も色々ですので、このリスクを回避する為にも、いくつかの銀行と付き合っておく必要があるのです。
最後に、財務的な基準を満たしていなければ、「担保や連帯保証人があるから貸してよ」と言ったところで、どうにもならないことがほとんどです。
担保や連帯保証人は借入の付帯条件と考えて下さい。