7.新規開業資金について
新規開業資金の融資については、「ハードルは割と高いが、条件さえ満たせば実行可能性が高い」という特徴があります。
日本公庫の新規開業資金制度
日本公庫(国民生活事業)には「新規開業資金」という制度があります。
保証人か担保が必要で、用意できなければ自己資金(自己資金を証明するのが割と面倒)の3倍(または予想月商2ヶ月分)が借入限度となります。
ここを満たした上で、「同業他社からの独立」というように既にノウハウを持っており、適切な事業計画がある場合には、極めて実行可能性が高いと言えます。
ただ、新規開業資金は一発勝負なので、条件面などを事前に調べて失敗の無いように気をつけて頂く必要があります。
これが決算書を2期分出せるようになると、一般枠として取り扱われるようになり、状況が一変します。
開業借入でご苦労をされた方に、運転資金の借入をお勧めすると、「きっと無理」と、拒否反応を示されることがありますが、申込んでみると、あっさりとOKが出ることに驚かれます。
あるいは民間銀行でも保証協会付融資(制度融資)があり、こちらの場合、保証人は不要となりますが、制度の概要は日本公庫のものとほぼ同じです。
開業資金は条件面でのハードルが高く費用対効果を考えると割に合わないというのが正直な感想です。
実績よりも要件が重要な新規開業資金制度
ただ、要件を満たした上(繰り返しますがここが最大の難関)で、事業計画書を出すことさえできれば、たとえ実績がなくとも、融資が受けられますので、要件を満たしている方は検討すべきだと思います。
考えようですが、「意気揚々と開業をしたが良いものの、思ったよりも売上が伸びず、資金に苦労した挙げ句に融資を申し込む」といった可能性を考えると、一般枠で借りるよりも易しいという可能性もあります。
また、手元資金を厚くしておくことで「安心を買う」、また、「銀行借入慣れ」をしておくということをここから始めるのも良いかもしれません。