6.返済はどのように行えばいいの?
返済方法には①期限一括弁済と②分割弁済の2つがあります。
また、②においては「一定期間据え置き後」分割弁済というオプションを付けることができる場合があります。
賞与資金や納税資金のような短期(1年以内)の借入は期限一括弁済が前提になります。普通は②の分割弁済方式で借入をします。
会社の財務状態にもよりますが、「5年弁済」をひとつの基準と考えて下さい。
多少金利は上がりますが、感触を見て「7年」でいけるようならば、申込時に希望を出してみるのも一つです。
銀行借入の一般的な返済期間
一般的には運転資金では5年、設備資金では10年が最長弁済期間となります。
融資額と同じで、返済期間に対する返答はゼロか百かではなく、企業の体力的に銀行側で無理と判断すれば、審査の過程で返済期間を短縮された形で条件提示がありますので、長めに言っておいて損はありません。
意外?! 銀行借入は折り返し融資が当たり前!
ここからが非常に大切なところですが、銀行借入は「折返し融資」を受けるのが前提です。
折返し融資というのは、例えば1,000万円借りたとして、3年たって600万円返したら、また600万円を補充してもらうように再融資を受けることを言います。
特に日本公庫の場合は3分の2を返済し終わると、「折返し融資のご案内」が届くのが普通です。
つまり、弁済期間5年というのは「ひとつの目安」であって、「この期間に全額弁済する必要はない」と考えるべきということです。
「1,000万円を5年で返すとすると、1年200万円ずつ返すことになる。そんなに利益を上げる自信が無いが大丈夫だろうか?」と考えるのは間違いです。
1,000万を借りると借入当初は1,000万円の預金残高があるはずです。この1,000万円から200万円を弁済するだけのことなのです。
「じゃあ何のために借りるのか?」
ということになりますが、一つは、銀行は「お金がないところには貸さず、お金があるところに貸したがる」といった行動原理で動いています。
なので、業績が落ちた途端に融資姿勢が厳しくなります。
そんな時、銀行に慌てて融資を依頼すると足下を見られがちですから、何とか乗り切れるよう手元資金を潤沢にしておくことが大切なのです。
もう一つ、運転資金は「買掛・人件費の支出と売掛の入金の一時的な収支ギャップを埋めるもの」なので、このような弁済方法でも資金は回るはずです。
資金が回らないのは赤字穴埋めための借入の場合です。
普通の状態ではなく事業の在り方そのものを考え直す必要がありますので、ここでは説明を割愛させて頂きます。