3.銀行借入...まずは何をすればよいのか?
①借入をしたことがない。
②借入はあるがもっと上手くできないか。
③銀行の融資姿勢が最近慎重になってきている。
と、いったように、どのような状況にあるかによって、まず何をすべきかが異なります。
銀行借入をしたことがない合場
①であれば、まずは誰かに銀行を紹介してもらいましょう。
知り合いがいなければ、とりあえず商工会議所や会計事務所に相談してみて下さい。それさえなければ、日本政策金融公庫(国民生活事業部)に相談をしてみるのも一つだと思います。
そして、借入を申し込んでみてください。借入初心者に、気を付けて頂きたいことが2点あります。
はじめて借入をする際に気をつけること
1点目は、銀行は「普通預金口座を持っているだけの人」を「取引のあるお客様」とは思ってくれていないということです。
たまに「サラリーマン時代ずっと給与振込口座に使っていた●●銀行なら話を聞いてくれると思うのですけれども...」という方をお見かけしますが、そういったことは99%ありません。(残り1%は1億円以上の大口預金者です。)
銀行からしてみれば「借入をしてくれて」はじめて「お客様」
なのです。
例えば同じ1,000万円を借りるとして、毎期、数百~千数百万円の利益を出していて、今まで無借金の会社と、利益は10分の1程度だが、すでに2~300万円の借入がある会社、どちらが借入しやすいと思いますか?
答えは「後者」です。ですので、まずは借入を申し込んで、「銀行と取引を始めること」。本当にこれが大切なのです。
銀行に隠し事はせずまな板の上の鯉になろう!
気を付けて頂きたい2点目は、「これを言ったら不利になるのではないか」ということを自分で勝手に決めて、変なところを隠し立てしないで頂きたいのです。
考えてみてください。素人が何を隠しても百戦錬磨の銀行に見抜けない可能性は低いのです。
次に、隠し立てしたのが後で見つかったらどうなるか想像してみてください。
「この人は都合の悪いことを隠す人」つまり「信用できない人」というレッテルを貼られことになります。これは最悪です。
そんなリスクを冒すくらいなら、包み隠さず全部話してしまって「まな板の上の鯉」になってしまうことをお勧めします。
応援したい、この人に貸したいということになれば、担当は良い解釈をしてくれるものです。
借入はあるがもっとうまく活用したい場合
②の「借入はあるがもっと上手くできないか」と③の「銀行の態度が最近硬化している」のケースの対応はほぼ同じです。
おそらく、一行の銀行に借入が偏っているのではないでしょうか。
今取引している銀行とは違う銀行、できればライバル関係にある銀行に声をかけてみて下さい。
そして、その銀行の担当者に、「今メイン銀行からどう見られているのか」を聞いてみて下さい。
そうすることによって、②や③といった状況に陥っているのが、たまたまメイン銀行のその支店が「冬の時代」を迎えているだけなのか、あるいはメイン銀行が足下を見ているだけなのか、はたまたメイン銀行の評価が正しいのか...が見えてくるはずです。
あくまで対策はそれからです。この際も、やはり紹介が望ましいことはいうまでもありません。
銀行は自分から「銀行を変えたい」という人を疑う習性があります。
「借りたいと言って来る企業を疑い、もう良いよといっている企業に貸したがる」のが銀行の特性です。ここを押さえておくだけでかなり交渉が上手くなります。