8.銀行選びの極意
はっきり言って、銀行は選ばれるものであって、こちらが選ぶものではありません。
しかしこれは「銀行の方が立場が上」ということではなく、銀行は「借りたいと言って来る企業を疑い、もう良いよといっている企業に貸したがる」という性質を持っていますので、「こちらからノックすると不利になる」というだけの事なのです。
つまり、新たに取引銀行を増やしたいと思ったら、向こうからノックしてもらえるようにしむける必要があるのです。
銀行から借入のお誘いを受けるための技術
例えば、帝国データバンクに評点を付けてもらうというのも一つの手段です。
余談ですが、対銀行ということを考えると、帝国データバンクや東京商工リサーチには決算書を出して事実を登録してもらっておいた方がよいと思います。
もし、提出しなかった場合には、「勝手付」といって適当に(それも不利目に)格付けをされてしまいます。また、赤字の年だけ出さない会社も見かけますが、どう考えても余計に怪しまれます。
さて、どんな銀行と付き合えば良いかということに話を戻しましょう。
スコアリングモデル(財務分析をして倒産確率などから格付けや適正利率を求める)こそが銀行の利益源泉なので、基本的にどの銀行も非公表です。使われる分析指標はほぼ同じですが、各銀行によって微妙に違います。
自社の経営状況を適切に評価してくれるスコアリングモデルを採用している銀行を見つけるのも銀行対策の一つです。
また、同じ銀行でも支店によって得意業種が異なる事があります。例えばIT関連企業の多い渋谷区の支店はIT業種に重点を置いていたりします。
都内のように銀行がたくさんある場合には、「自社に合った銀行が見つかるまでトライする」という贅沢な作戦が可能となります。
実は知られていない狙い目...地方銀行の県外支店
さらに狙い目を付け加えると、例えば「埼玉銀行/千葉支店」のような地方銀行の「県外支店」や、空白地帯への新規出店支店はアグレッシブな融資をしてくれます。
また、たまにやってくる飛込み営業は無下にせずに対応しておいて損はありません。それどころか、ビックリするようなお得な目玉商品をお土産に持って来てくれたりすることがあります。
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保証協会付融資(制度融資)しかなかった会社がプロパー融資に切り替わるタイミングも、「飛び込み営業」がきっかけだったことも、経験的に少なくありません。
さらに細かいようですが、「鶏口となるも牛後となるなかれ」大きな支店で小さな会社扱いされてしまうよりも、小さな支店で重要なお客様扱いされた方が有利な場合もあります。
大きな支店か小さな支店かは、だいたい最寄り駅の大きさに比例しているので、ひとつの基準にして支店選びをしてみて下さい。